2018年9月22日(土)無国籍ネットワーク 連続セミナー第7回「親の文化を伝えたい」

無国籍ネットワークよりイベントのご案内です。

9月22日にトークイベントを行います。

今回のゲストはチベット・ネパール系日本人のドルジさんです。

みなさま、ふるってご参加くださいませ。

以下、詳細になります。

 

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【日時】2018年9月22日(土) 15:00~17:00

【費用】無料

【会場】早稲田大学  11号館 819教室

(アクセスマップ>>  https://goo.gl/maps/APSkFS6Wz7t

【懇親会】セミナー終了後の17:30より懇親会(参加費1500円程度)を行います。

場所はターリー屋西早稲田店(http://thali-ya.com/shop/nisiwaseda.html)です。

 

お申し込みはこちらから↓

https://goo.gl/forms/PgYHZuuNGSzinVKx2

 

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連続セミナーについて

アジアでは、たくさんの少数民族が国家のなかに組みこまれ、多民族国家として成立しています。少数民族は国籍が与えられないことがあり、かりに国籍を有していても二級市民あつかいされがちです。日本にも、このような少数民族がくらしています。

ほとんどが難民として日本にのがれて来ましたが、日本政府は難民としてみとめていません。本国と同様、日本においてもまた彼/彼女らに居場所を見つけるのは容易ではなく、少数派、あるいは無国籍者として生きていかざるをえません。とはいっても、逆境をバネにした力強い姿が、彼/彼女らのなかにみいだされます。

連続セミナーでは、本国と日本での経験を話していただきます。少数派の語りをとおして、国籍や民族について共に考え、同時に、普段は気が付かない日本社会の一面や彼/彼女らの活力を感じてみませんか?

 

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2018年8月4日李節子教授によるセミナー「在日外国人の健康支援:誰一人取り残さない母子保健のために」のレポート

李節子教授によるセミナー「在日外国人の健康支援:誰一人取り残さない母子保健のために」

——-東京、2018年8月、三谷純子(無国籍ネットワーク理事)

 

無国籍ネットワークは、在日外国人の健康支援について、40年間、研究や支援をなさってきた長崎県立大学大学院の李節子教授によるセミナーを、2018年8月4日、東京ボランティア市民活動センターで開催しました。

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「健康に生きる権利は、世界中の誰もが持っている基本的人権です。日本で暮らす外国人にもその権利はあると、私は、40年間、あらゆる機会に、どんな人にも、訴え続けてきました」と李先生は、情熱的に話し始めました。健康への権利は、『WHO憲章』や、いくつもの国際宣言に謳われ、『世界人権規約』、『児童の権利に関する条約』等にも記されています。また、国際社会全体が2030年までの達成を目指して促進中の『持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDG)』にも、全ての人の健康的な生活の確保と福祉の推進や、ジェンダーの平等の下での、性と生殖に関する健康への権利の実現が含まれています。SDGは、「誰ひとり取り残さない」ことを掲げているので、難民や移民、無国籍者も、在留資格の有無に関わりなく、SDGの対象に含まれると考えられます。「グローバル化等の影響により、日本でも、在日外国人が増えていますが、忘れられがちなのは、在外邦人も増加しているという事実です。SDGを達成するには、国籍や法的地位とは無関係に、今ここにいる全ての人の健康への権利を、お互い様という気持ちで、各国で守りあうことが不可欠です」と、李教授は指摘しました。

 

日本で暮らす外国人の保健医療に関しては、言葉の壁、心の壁、制度の壁により、様々な問題が発生しています。特に、在留カードを持っていない非正規滞在の妊産婦とその子どもの健康への権利を、誰がどのように守るのかは大きな課題です。非正規滞在の発覚を恐れ、出産前検診も受けない出産は、時に母子の命に関わります。感染症は、国籍や在留資格とは無関係に拡大します。予防接種をしていない子どもの増加は、本人だけでなく、社会全体のリスクも高めます。しかし、日本語がよくわからず、自国と異なる制度を十分に活用できない外国人は少なくありません。

 

非正規在留者も含めた外国人も、日本の児童福祉法や母子保健法により、母子手帳の交付や、妊婦検診、子どもへの予防接種等は、受けられるはずです。2009年の参議院法務委員会で、在留カードの有無に関わらず、予防接種や就学の案内等の行政上の便益を全ての外国人が引き続き享受できるよう、体制の整備に万全を期すことが決議されています。ところが、非正規在留者が子どものために勇気を出して自治体の窓口を訪れても、在留カードがなく、住民登録がないことを理由に、窓口担当者が、基礎的な母子保健制度の利用を認めないケースが各地で発生しています。また、非正規滞在者の医療費未払いに困った病院が、そのような人の受け入れを拒むこともあります。そこで、親の法的地位や、国籍、経済力により、子どもの健康への権利が大きく損なわれないよう、子どもが暮らしている社会全体で支える必要があります。

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勿論、保健医療の現場では、外国人の健康への権利を守る様々な取り組みもされてきました。セミナーでは、神奈川国際交流財団のご厚意で、当事者や医療関係者向けの多言語の資料が配布され、特定NPO法人シェアの紹介もされました。ただ、現場の取り組みは、広く共有されず、散逸しがちです。解決法も、相談先もわからず、困っている当事者や関係者も少なくありません。李教授が、編集・執筆し、杏林書院から出版されたばかりの『在日外国人の健康支援と医療通訳:誰一人とりのこさないために』という本には、関連する法律や制度の説明と共に、問題解決の事例が豊富に載っています。「この本は、多くの人達が、悪戦苦闘してきた長年の努力の集大成なんです。実際に役に立つ情報をたくさん、簡潔にまとめました。問題解決にも人材育成にも役立つ内容です。日本で暮らす外国人の健康支援体制を構築し、SDGが達成されるように、私も全力を尽くします」と教授は講演を締めくくりました。

 

セミナーには、酷暑の中、保健医療の現場で働く方々、在日外国人の支援の関係者、研究者、報道関係者、無国籍状態の人など、25名が参加しました。「看護師として、現場で外国人にどのように関わっていけばいいのか」という質問に対し、李教授は、「先ず、心を込めてケアをすることです。それから、一人で抱え込まずに、病院のケースワーカーやNPOと連携してください。」と答え、「支援する側は、自分がヒーローになろうとしていないか、かわいそうだからという上からの態度になっていないかに気を付け、当事者の目線に立ち、一緒に解決していくことを忘れないで。」と付け加えました。懇親会でも、参加者の様々な経験の共有が続きました。今後、日本で暮らす外国人が増加するなかで、重要な役割を担う医療通訳を適切な収入を得られる職業として確立する必要性や、行政が経費節約のため外国人対応を省略しないようにする必要性、現場の医療人の外国人対応への知識や能力の向上の必要性、家族形成や出産年齢の人が多い外国人労働者を労働力としてだけでなく、生活の場を共有する人として捉える必要性、当事者や医療関係者、行政、支援団体等が協力して、外国人の健康の権利を確保する体制を構築するための立法や財源の必要性も、話題になりました。

 

無国籍ネットワークのセミナーは、法律やアイデンティティに関する内容が多いのですが、今回の講演で、健康への権利と無国籍の関係について考えるための材料が増えました。

 

  • 李節子先生の新著『在日外国人の健康支援と医療通訳』杏林書院 2018はamazonでは、2700円で9月1日発売予定です。
  • かながわ国際交流財団が発行する多言語の資料は、www.kifjp.orgにあります。
  • シェアは、医療保健を中心とし、命を守る人を育てる活動を国内外で実施している特定非営利活動法人です。 http://share.or.jp/index.html

 

「2018年6月16日 児童養護施設における”無国籍”調査報告」のレポート

「2018年6月16日 児童養護施設における”無国籍”調査報告」のレポートです!
当日の様子・内容が書かれています。

「2017年 児童養護施設における外国につながる子どもと無国籍に関する実態調査」報告

2018年6月16日、早稲田大学にて、石井香世子教授(立教大学社会学部)による「2017年 児童養護施設における外国につながる子どもと無国籍に関する実態調査」と題した発表が行われました。

最初に、タイの山地民とともに生活しながら研究をされていた経験を、ご自身の写真も含めて紹介され、ご研究の中で無国籍の問題があることを認識し、無国籍についての調査を行うことになったという経緯をご紹介されました。次に無戸籍と無国籍といった、従来混乱しやすい概念について説明され、無戸籍者は親が日本国民であると考えられることが多いのに対して、無国籍者の親は日本国民でなく、どの市民権も行使できない方々を指すと説明されました。また、法の文言によって無国籍となるという狭い意味での無国籍に限らず、市民権を行使できない環境にいる人々を無国籍者と捉えていると説明されました。日本において無国籍が問題化しない理由は無国籍者の実態が知られていないことであると考えられるため、日本にいる無国籍者の実態の一部を明らかにすることを目的として、全国の児童養護施設にアンケート調査を行われました。

多忙な児童養護施設からのアンケートの回答率を上げるために、わかりやすい選択肢を用意することに努め、600の施設にアンケートを配布したところ、300の有効回答があったと紹介されました。国籍がない(かもしれない)と思われる子どもがいたことはあるか、もしくは現在いるか、との質問への回答からは、無国籍と思われる子どもが児童養護施設にいる割合にばらつきがあり、都道府県別の在留外国人の人数が多い県で必ずしも無国籍と思われる子どもの数が多いわけではないことが指摘されました。また、在留外国人の人数と児童養護施設における無国籍と思われる子どもの数には相関関係がないことも指摘されました。さらに、無国籍と思われる子について国籍取得に関する相談をしたことがあるか、という質問への回答からは、役場の戸籍課、法務局、弁護士に相談する事例が多い一方で、国籍取得率は児童相談所や弁護士に相談した際に高いことが指摘されました。

後の質疑応答では、実態調査の対象を、児童相談所でなく児童養護施設にした理由に関する質問が投げかけられ、児童相談所によるアンケートへの協力は困難であると考え、児童養護施設への調査を実施したと説明されました。無国籍者の実態を明らかにすることの困難さを認識するとともに、無国籍者の実態の一部が垣間見れる貴重な発表でした。

 

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無国籍ネットワーク運営委員 秋山 肇

連続セミナー第6回「山の民からの声」チャクマさんの語り―バングラデッシュの先住民族出身

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日本にくらすアジアの少数民族~マイノリティをとおして国籍を考える~

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バングラデッシュとミャンマー国境付近の丘陵地帯に住む仏教徒で少数民族のジュマの人たちは、国家とマジョリティーのムスリムから差別や迫害を受けてきた。そのような状況から逃れるために来日し、庇護を求めて、今日本で暮らしています。

今回の連続セミナーでは、日本に暮らすジュマの一人であるチャクマさんと山村先生との対話を通してジュマの状況と日本での経験について考えたいと思います。

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日付:7月21日(土)15:00~17:00 要予約

場所:早稲田大学 早稲田キャンパス11号館708号室        キャンパスマップ Google Maps

セミナー後の懇親会は早稲田周辺のターリー屋 西早稲田店で行います。

お申込みはこちらから↓

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdkJghMQfFhHkQipADyRWK0ERWm7–QqbtJXeQCnS9v2IO0aw/viewform?usp=sf_link

 

連続セミナーについて

アジアでは、たくさんの少数民族が国家のなかに組みこまれ、多民族国家として成立しています。少数民族は国籍が与えられないことがあり、かりに国籍を有していても二級市民あつかい?されがちです。日本にも、このような少数民族がくらしています。

ほとんどが難民として日本にのがれて来ましたが、日本政府は難民としてみとめていません。本国と同様、日本?においてもまた彼/彼女らに居場所?を見つけるのは容易ではなく、少数派、あるいは無国籍者として生きていかざるをえません。とはいっても、逆境をバネにした力強い姿が、彼/彼女らのなかにみいだされます。

連続セミナーでは、本国と日本での経験を話していただきます。少数派の語りをとおして、国籍や民族について共に考え、同時に、普段は気が付かない日本社会の一面や彼/彼女らの活力を感じてみませんか?

 

「在日外国人の健康支援: 誰一人取り残さない母子保健のために」

logoforWeb特定非営利活動法人無国籍ネットワーク主催

李節子先生によるセミナー

李先生

国籍や在留資格の有無・違いに関わらず、誕生、病気、ケガ、死亡は、誰にでも起こります。私たちの未来の世界を母子手帳

担う子どもたちが、各自の潜在力を十分に伸ばして

成長するためには、良質で十分な母子保健サービスへの容易なアクセスが必要です。増加を続ける在日外国人

の母子保健への取り組みや今後の課題について、30年間の調査研究や支援の実績をお持ちの李節子教授から学び、皆で考えましょう。

 

母子手帳2  父子手帳  孫応援ブック

講演李節子 長崎県立大学大学院人間健康科学研究科教授

東京大学保健学博士号 千葉大学看護学部卒、助産師

日本国際保健医療学会代議員

・『在日外国人の母子保健:日本に生きる世界の母と子』医学書院、1998年

・『国際看護・国際保健』弘文堂、2012年

・『医療通訳と保健医療福祉:すべての人々への安全と安心のため』杏林書院、2015年

・『フォレンジック看護―性暴力被害者支援の基本から実践まで』医歯薬出版、2016年

 

日時2018年8月4日(土) 10:00-12:00 (含質疑応答)

場所飯田橋駅B2b出口直結:セントラルプラザ10

東京ボランティア市民活動センター会議室

https://www.tvac.or.jp/tvac/access.html

参加費:セミナーのみ参加の方は無料。その後の懇親会参加には実費1500円程度かかります。

 

*御参加希望の方は、こちらから↓
https://goo.gl/forms/TuczlX6p5ZFRit7v2

または

officer[at]stateless-network.comにメールでご連絡ください。([at]を@に変えてお送りください。)

先着40名様まで。

12時からの懇親会への参加も歓迎いたします。

特定非営利活動法人 無国籍ネットワーク

【イベントのご案内】2018年6月16日 児童養護施設における”無国籍”調査報告

無国籍ネットワークよりイベントのご案内です。

6月16日に立教大学の石井教授による「児童養護施設における”無国籍”調査報告」が行われます。

みなさま奮ってご参加ください。

 

【日時】

6月16日(土)11:00~12:30 無料 要予約

【場所】

早稲田大学11号館708

アクセス>> https://goo.gl/maps/APSkFS6Wz7t

 

参加される方は

1.お名前

2.ご所属

をご記入の上、下記のメールアドレスにご連絡ください。

連絡先:officer[at]stateless-network.com ([at]を@に変えて送信してください。)

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連続セミナー第五回 5月19日(土)「小さなことからはじめる」ロヒンギャ系日本人 長谷川瑠理華さん 

連続セミナー 日本にくらすアジアの少数民族 ~マイノリティをとおして国籍を考える~

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「小さなことからはじめる」ロヒンギャ系日本人

長谷川瑠理華さんと山村淳平先生との対話

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長谷川瑠理華さんは小学校高学年の時に母と一緒に来日し、その時に初めて父親と会い、日本での新しい生活を始めます。日本に慣れるまでの苦労、教育、家族の在留資格の状況の変化、結婚と出産と子育てなど日本での暮らし、ロヒンギャ系日本人として生きていく経験について、山村先生と対談します。

 

連続セミナーについて

アジアでは、たくさんの少数民族が国家のなかに組みこまれ、多民族国家として成立しています。少数民族は国籍が与えられないことがあり、かりに国籍を有していても二級市民あつかい?されがちです。日本にも、このような少数民族がくらしています。

ほとんどが難民として日本にのがれて?来ましたが、日本政府は難民としてみとめていません。本国と同様、日本?においてもまた彼/彼女らに居場所?を見つけるのは容易ではなく、少数派、あるいは無国籍者として生きていかざるをえません。とはいっても、逆境をバネにした力強い姿が、彼/彼女らのなかにみいだされます。

連続セミナーでは、本国と日本での経験を話していただきます。少数派の語りをとおして、国籍や民族について共に考え、同時に、普段は気が付かない日本社会の一面や彼/彼女らの活力を感じてみませんか?

 

 

日付:5月19日(土)15:00~17:00
場所:早稲田大学 早稲田キャンパス11号館708号室        キャンパスマップ Google Maps

セミナー後の懇親会は早稲田周辺のターリー屋 西早稲田店で行います。

3月31日のトークイベントにつきまして

3月31日のトークイベントではマキンタヤ氏による講演が予定されておりますが,その前に学生の報告発表が追加されました。

彼らはボルネオでフィールドワークを行ってきました。

その学生たちの様子は星洲日報の記事に掲載されています!

ボルネオフィールドワーク

『ビルマと日本によるロヒンギャ・ムスリムの無国籍の常態化』調査報告とディスカッションby マキンタヤ スティーブン

近年ビルマ(ミャンマー)のロヒンギャ・ムスリムがおかれた悲惨な状況は世界的に知られるようになった。しかし、ロヒンギャ難民は90年代初頭から、今に至るまで120人の主に男性が庇護希望者として来日し、難民認定申請している。実際に難民認定を受けているロヒンギャは18人、70人から80人は人道的配慮に基づく在留特別許可(以下、人道配慮)、20人弱の方は現在も難民申請中の状態である。その中には、10年以上日本に滞在しながら難民として認められず、特定活動、仮滞在、仮放免、収容と様々な法的地位と状況に置かれているロヒンギャもいる。特に仮放免者の場合はいつ収容されるか分からず、仕事も出来ず、保険にも入れない状態で日本社会の中では見えない存在となっている。呼び寄せられた家族や日本で生まれた子どもを含めて250人から280人ぐらいのロヒンギャが現在日本に在住しているといわれている。

このように大多数のロヒンギャの庇護希望者は日本に難民として認められなくとも人道配慮を与えられている。先進資本主義国家の中でも難民に厳しい日本政府とビルマの軍事政権との複雑な関係がこの状況にも影響しているといわれている。同時に、弁護士や日本の市民社会、他のロヒンギャ・ムスリムの力を借りて戦ってきたことが大きく影響したことが調査からわかった。在留資格が与えられ日本での暮らしも長くなるにつれて、ロヒンギャの中には帰化することを求める人が増えている。実際に2家族には帰化が認められている。同時に、調査を通して帰化を求めるロヒンギャはさらに多いことが分かった。帰化を強く求める気持ちは他のビルマ出身の難民やベトナム難民等と同様、自分と子どもの安定した将来を考えてのこともあるが、ロヒンギャがビルマから国籍を剥奪されたと言う経験から現在暮らしている日本に国民として受け入れられたい気持ちがさらに強いとも言える。しかし、いくつかの理由から帰化できないと考える人が多いことが今回の調査で分かった。この定住資格や永住権が与えられたロヒンギャが日本国民になれない状況を私は「無国籍の常態化」と呼んでいる。さらに、日本が難民認定あるいは人道配慮を与えていないロヒンギャは「無国籍の常態化」と基本的な権利を享受できない状況にある。今回の発表とディスカッションでは日本の制度がもたらすロヒンギャ・ムスリムの「無国籍の常態化」についてロヒンギャだけでなく日本の制度と他の在日外国人の状況とも関連付けてみなさまと一緒に考えたい。

講師のマキンタヤ スティーブン氏(Stephen P. McIntyre)は2018年に一橋大学大学院社会学研究科での修士課程を修了。2016年から2017にかけての調査で在日ロヒンギャ・ムスリムと日本の難民認定制度との関係を調べ、その内容を修士論文「国家の認めるアンビバレントな状態―無国籍化されたビルマ出身ロヒンギャ・ムスリムの日本での庇護申請」にまとめている。

日付:3月31日 14:00~16:00 (お茶を取りながらの懇親会を16:30から行う予定)

場所:早稲田11号館711号室 早稲田キャンパスマップweb 早稲田キャンパスマップpdf

人数確認のため参加希望の方は前日までにご連絡ください。懇親会に参加される方は特に事前に連絡するようよろしくお願いします。

お問い合わせ リンク

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