無国籍ネットワークは、無国籍の方に寄り添いながら無国籍者を支援している団体です。
無国籍の方に寄り添い、彼・彼女らの悩みを真摯に受け止め、国籍の有無で差別されることがない社会を築きたいという思いから、かつて無国籍者であった陳天璽の呼びかけによって、2009 年1 月に発足しました。
国籍がない人は、自分は何者だろうと悩んだり、「無国籍ってどういうこと?」と周りの人から不思議がられて説明を求められたり、結婚、就職、海外旅行など人生のいたるところで壁にぶつかります。とりわけ、国籍もなく、日本で在留資格も持たずに生きる人たちの悩みは深刻です。かつて住んでいた国に帰ることもできず、日本でも合法的に暮らすことができず、どの国からも見捨てられ、不安定な立場に置かれています。
現在、日本には、無国籍者を保護するための公的制度はありません。また、無国籍の問題に特化して無国籍者を支援する市民組織も見当たりません。無国籍者の問題は放置され、社会の片隅に隠されたままになっているといっても過言ではありません。このような状況のなか、私たちは、無国籍の問題をしっかり見つめ、無国籍者を支援する必要性が極めて高いと考えました。
無国籍ネットワークは、特定NPO法人格を取得しています。
無国籍者と一言でいっても、無国籍になった経緯や、在留資格の有無、年齢、結婚しているか否かなどで、抱える悩みや直面する問題は人それぞれ異なります。「無国籍ネットワーク」はこうした無国籍の人たちや国籍の問題で悩む人たちが、国籍の有無で差別されることなく、より暮しやすい社会となるように、無国籍問題の啓発・普及、無国籍者に対する法律相談等を含む支援事業を行ない、無国籍者の地位の安定、向上を目指して活動することを目的として設立しました。
研究者、弁護士、医師等の専門家をはじめ、多くの方々の賛同を得て、無国籍ネットワークは2011 年、NPO 法人格を取得しました。私たちは、これからも、無国籍の人々を支援するとともに、この問題を国内外に発信し、無国籍であっても住みやすい社会の構築を目指して活動していきます。